引用元
私がこのような講演を行うと、西側の多くの人々は「私の見解には不道徳な側面がかなりある」と考えます。
なぜなら私は西側を非難しているのであって、権威主義的でチンピラ的な要素のあるプーチンを非難しているわけではないからです。
そのことは間違いありません。
しかし、西側諸国が、今ウクライナに対して行っていることは、「ウクライナを甘い誘惑に誘っている」ということだと私は考えています。
そして、その結果、ウクライナはロシアによって、滅茶苦茶に破壊されることになるのです。
私が提唱している政策は、ウクライナを中立化し、経済的に発展させ、ロシアとNATOとの競争から離脱させるというものですが、
この政策が、ウクライナにとってベストなものであると確信しています。
しかし、西側は「ロシアに強硬な姿勢を取るように」とウクライナをけしかけているのです。
そして、「最終的には西側の一員になれるから」とウクライナを励ましているのです。
なぜなら、最終的にはプーチンを打ち負かし、自分たちの思い通りになると思っているからです。
時間が経てば、西側に有利になると考えているのです。
そしてもちろん、ウクライナも西側に同調しています。
ウクライナ側はロシア側と妥協する気はほとんどなく、強硬な政策を取りたがっているのです。
しかし、すでに述べたように、もしウクライナがそのようなことをすれば、最終的にウクライナはめちゃくちゃに破壊されることになります。
西側が行っていることは、事実上、そのような結果になることを助長しているということです
中立的なウクライナを作るために努力するほうが、はるかに理にかなっていると思います。
この危機をできるだけ早く葬り去ることが、西側の利益にもなるし、
ロシアの利益にもなるのは間違いありません。
そして最も重要なことは、この危機を終わらせることがウクライナの利益になるということなのです。
ありがとうございました
この訳に基づいて製作された動画はこちらです(論文からの引用や関連写真も入れているので理解の一助になります)。
●日本語訳一覧
・講演の概要
・本題の理解に必要な前提知識①(アメリカの核心的な戦略的利益とは?)
・本題の理解に必要な前提知識②(欧州の地政学)
・本題の理解に必要な前提知識③(ウクライナとはどのような国なのか?)
・本題の理解に必要な前提知識④(欧州のエネルギー事情)
・ウクライナ危機の原因(概要)
・ウクライナ危機の根本的な原因
・ウクライナを西側に取り込むために、米国が使っていた戦略とは?
・ウクライナ危機が起こるきっかけ
・ロシアが考えているシナリオ
・なぜ、ロシアは「ウクライナが西側の一員になることは、安全保障上の脅威である」と考えるのか?
・「プーチンが狂っているからウクライナ危機が起きた」という主張を論駁する
・「アメリカは善良な覇権国家なのだから、プーチンがNATO拡大を脅威だと考えるのは間違っている」という主張に反駁する
・「プーチンは以前からウクライナ征服を計画していたのであって、NATOの東方拡大がウクライナ危機を引き起こしたという話は間違い」という主張に反駁する
・ロシアの危機感を理解できない西側の対応が、恐ろしい事態を引き起こす
・失敗を繰り返す、アメリカの外交エリートたち
・ウクライナ危機の解決策
・ウクライナ危機が各方面に与える影響
・ウクライナの未来