それではまず、その根本的・構造的な原因から見ていきましょう。
「この混乱の主な責任はロシアではなく、西側にある」ということが、私の主張です。
もちろん、このような考えは米国では非常識であると見なされています。
私の考えと同じなのは、かつて、プリンストン大学にいたスティーブコーエンや、ヘンリー・キッシンジャーなどのほんの一握りの人たちだけです。
しかし、西側に責任があるということは明白な事実だと思います。
根本的・構造的な原因は、米国とヨーロッパの同盟国がウクライナをロシアから引き離し、西側に取り込むことを目標にしていることにあります。
アメリカの基本的な目標は、ロシアとの国境に接するウクライナを、西側の軍事的な要塞にすることです。
しかし、ロシアは「そのようなことを実現させるわけにはいかない」と言っています。
「そうならないように、あらゆる手段を講じるつもりだ」と言っています。
これが根本的な原因です。
このことについて、更に詳細に見てみましょう。
※続き
・ウクライナを西側に取り込むために、米国が使っていた戦略とは?
→日本語訳
この訳に基づいて製作された動画はこちらです(論文からの引用や関連写真も入れているので理解の一助になります)。
●日本語訳一覧
・本題の理解に必要な前提知識①(アメリカの核心的な戦略的利益とは?)
・本題の理解に必要な前提知識③(ウクライナとはどのような国なのか?)
・ウクライナを西側に取り込むために、米国が使っていた戦略とは?
・なぜ、ロシアは「ウクライナが西側の一員になることは、安全保障上の脅威である」と考えるのか?
・「プーチンが狂っているからウクライナ危機が起きた」という主張を論駁する
・「アメリカは善良な覇権国家なのだから、プーチンがNATO拡大を脅威だと考えるのは間違っている」という主張に反駁する
・「プーチンは以前からウクライナ征服を計画していたのであって、NATOの東方拡大がウクライナ危機を引き起こしたという話は間違い」という主張に反駁する