では、対立の原因について説明することにしましょう。
対立の原因について話すのであれば、3つの異なる視点から考える必要があります。
まず第一に、「危機の根本的な原因は何か」ということです。
「この対立の根本にある構造的要因は何か」ということです。
その次に、「何がこの対立を引き起こしたのか」について考えなければなりません。
今回の危機は2014年2月22日に勃発しました。
2014年2月22日までは、酷い状況ではありませんでした。
その時から全てが急速に悪化したのです。
問題は、その時なにが起こったのかということです。
そして、その根本的・構造的な原因に焦点を当てなければ、なぜ2014年2月に危機が起きたのかを理解することはできません。
そして、今回の危機には前兆がありましたが、その前兆について理解すれば、今回の危機が起きるべくして起きたことが分かるでしょう。
そして、ロシアの反応について理解することが重要です。
なぜ、ロシアはクリミアやウクライナ東部であのようなことを行ったのか?
そして、ロシアはそこで何を行ったのかを理解することが重要です。
※続き
・ウクライナ危機の根本的な原因
→日本語訳
この訳に基づいて製作された動画はこちらです(論文からの引用や関連写真も入れているので理解の一助になります)。
●日本語訳一覧
・本題の理解に必要な前提知識①(アメリカの核心的な戦略的利益とは?)
・本題の理解に必要な前提知識③(ウクライナとはどのような国なのか?)
・ウクライナを西側に取り込むために、米国が使っていた戦略とは?
・なぜ、ロシアは「ウクライナが西側の一員になることは、安全保障上の脅威である」と考えるのか?
・「プーチンが狂っているからウクライナ危機が起きた」という主張を論駁する
・「アメリカは善良な覇権国家なのだから、プーチンがNATO拡大を脅威だと考えるのは間違っている」という主張に反駁する
・「プーチンは以前からウクライナ征服を計画していたのであって、NATOの東方拡大がウクライナ危機を引き起こしたという話は間違い」という主張に反駁する