「失敗を繰り返す、アメリカの外交エリートたち」(Why is Ukraine the West’s Fault? Featuring John Mearsheimer ミアシャイマー)(全訳)

引用元

次にお話することが、この論点における最後のことになります。
この件に関して本当に驚くべきことは、「ウクライナは重要な戦略的利益ではないから、ウクライナのためには戦わない」ということを認めているのに、ウクライナをNATOに加盟させるという話をしていたことです。
ウクライナをNATOに加盟させるということは、「ウクライナが攻撃された場合は防衛に向かう」という第5条をウクライナにも保証するということです。
第5条を保証するのは、冷戦時代のドイツのように重要な戦略的利益をもたらす国だけです。
アメリカは、一体何をしていたのでしょうか?
重要な戦略的利益ではない国に、第5条の保証を与えようと考えていたのでしょうか?
このことは、最近のアメリカの外交政策がいかに混乱しているかを物語っています。
そして、もちろんウクライナ危機は我々が引き起こした多くの混乱の一つに過ぎません。
ご存知のように、アメリカ人にはお金儲けの才覚があります。
しかし、外交政策に関しては何をやってもうまくいきません。
アフガニスタン、イラク、リビア、ウクライナ・・・・。
数えればきりがありません。


※続き
・ウクライナ危機の解決策
→日本語訳

この訳に基づいて製作された動画はこちらです(論文からの引用や関連写真も入れているので理解の一助になります)。

●日本語訳一覧

・講演の概要

・本題の理解に必要な前提知識①(アメリカの核心的な戦略的利益とは?)

本題の理解に必要な前提知識②(欧州の地政学)

本題の理解に必要な前提知識③(ウクライナとはどのような国なのか?)

本題の理解に必要な前提知識④(欧州のエネルギー事情)

・ウクライナ危機の原因(概要)

・ウクライナ危機の根本的な原因

・ウクライナを西側に取り込むために、米国が使っていた戦略とは?

・ウクライナ危機が起こるきっかけ

・ロシアが考えているシナリオ

・なぜ、ロシアは「ウクライナが西側の一員になることは、安全保障上の脅威である」と考えるのか?

・「プーチンが狂っているからウクライナ危機が起きた」という主張を論駁する

・「アメリカは善良な覇権国家なのだから、プーチンがNATO拡大を脅威だと考えるのは間違っている」という主張に反駁する

・「プーチンは以前からウクライナ征服を計画していたのであって、NATOの東方拡大がウクライナ危機を引き起こしたという話は間違い」という主張に反駁する

・ロシアの危機感を理解できない西側の対応が、恐ろしい事態を引き起こす

・失敗を繰り返す、アメリカの外交エリートたち

・ウクライナ危機の解決策

・ウクライナ危機が各方面に与える影響

・ウクライナの未来